5月の半ばくらいから、毎年毎年観察しようと思っていた
コバンソウの観察を始めました。
と、いってもコバンソウは「小判の部分」が地上にではじめて
ゆらゆら揺れだすと、存在に気が付くので正直最初からの観察ではありません。
今回は、隣にある中学校の学生に笑われながら
地面にはいつくばってコバンソウに近づいてみることにしました(笑)
比較的手入れされていない、空き地や乾いていてあまり肥沃でない土地に
群生している。
やはり、この植物の特徴は群生しているということかもしれません。
場所さえあえば、見渡す限りにコバンソウが生えています。
一緒に生えているのは、よくみかけるものばかり。
キュウリグサや同じイネ科の植物やタンポポモドキ(?)が咲いています。
穂の部分は2㎝ほどの幅で長さは3㎝くらい。
1つの茎に1~数個の小判がぶら下がっています。
この穂の部分は、手で持ってみても重さをほとんど感じずに
軽くいくつ持ってみてもあまり重さを感じません。
また水分らしきものも感じられず、かさかさとしています。
黄色い葯の部分が外にでています。
根の状態はどのようなのか知りたかったので、1つ抜いて足元を
見せてもらいました。
ここで、また面白いことが分かりました。
葉が出ているところと次の葉が出ているところの間を「節」
というそうですが、その間が上部に向かうほど長くなり
節の部分で角度を変えて折れ曲がっています。
赤い矢印のところが節の部分ですが、ここで折れ曲がって
角度を変えて伸びていきます。
上へ上へとまっすぐに伸びるというより、1つ1つ伸びていっては
方向を修正しながら進んでいるように見えます。
上部に伸びていくにつれて、節ごとにだんだんと茎は細くなっていきます。
この全体像での様子をみてもらってもわかる通り、最後の花の部分のを支える
茎は大変細く、この写真では見ることができません。
釣りで使うテグスのように細く、私の髪の毛よりも細くなっていました。
根は比較的浅く、横に広がっていました。
ただ、お互いの株がそこそこ近くにあるので、もしかすると
お互いを支えているのかもしれないので、これは要確認です。
果実は黄色くなってそれから茶色に。
その後、下のほうからぽろぽろと鞘にぴったりとくっついた
種が風に運ばれて飛んでいきます。
鞘を破って種をだしてみたところ(拡大鏡で覗いています)。
深いカップのような形の鞘が14個ほどついていました。
カップがきちんと1つ1つはまっていて、下部から順番に
外れていきます。
花の軽さ、つりの竿のような茎、釣り糸の先にある花。
少しの風でも揺れ、細かな風の動きに敏感に反応している。
風との関係性がとても深い花。
FESのフラワーエッセンスでは
「クェイキンググラス」という名前です。
集団の中で各々が個人の役割を、大きな社会の中でみるのを
助けてくれるエッセンス。
きちんと整列されてはまっている1つ1つの花と
その花が見渡す限り咲いている様子と重なっているように思えました。